・超展開すぎてパラレル
・扉を抜けた影響とかで兄弟は不老不死
・リヒは生まれ変わってもリヒ
・妄想した人:痛々しい設定がだいすきなgk
・読みにくい問題はもう謝ることにします
・扉を抜けた影響とかで兄弟は不老不死
・リヒは生まれ変わってもリヒ
・妄想した人:痛々しい設定がだいすきなgk
・読みにくい問題はもう謝ることにします
それは唐突に襲ってきた。濁流のように圧倒的な質量と体積をもって押し寄せてきた未知なる感覚、頭の中を散々暴れ回るように駆けめぐってやがていつしか溶けてなくなった、それは消滅したのではなく完全なる同化。そして僕が得たものは。
いまや宇宙空間にいる人間とタイムラグなく映像と音声で会話もでき、家庭のパソコンで幽霊探知ができるような科学によって支配された世界だ。その真っ只中それがどれだけ非科学的で非現実的で信じられなくていわゆるキモイことなのか、科学者の端くれとして僕だってわかっちゃいるけど思い出してしまったのだから仕方がない。なにをってアレだ。つまり月に一度、世界のどっかから届く絵葉書の差出人とのことだ。慌ただしく引き出しから絵葉書の山を取りだして僕はスーツケースに適当に荷物を突っ込むとパスポート片手に空港へと向かった。
リターンアドレスを辿ってまず訪ねたのはニューヨーク。けれど既に空室。ああ、あの人ならもう何ヶ月も前にここを引き払ってどこかへ、と話してくれた管理人さんに礼をいって次はモントリオール。空室。シアトル。空室。アンカレジ。空室。東京。空室、忘れ物の靴下を渡される。香港。空室。シドニー。空室。バンコク。空室。カトマンズ。空室。観光にきていた彼の弟と遭遇、世間話。情報はなし。ナイロビ、ケープタウン、カイロ。空室空室空室。イスタンブール。またもや忘れ物の靴下を渡される。靴下を忘れる習慣でもあるのかい。ブカレスト、パリ、ロンドン、ベルリン。空室空室空室。それで結局行き着いたのはやっぱりというかなんなのか、そこはミュンヘンだった。
その人は僕が、厳密に言うと死ぬ前の僕だ。僕はごく普通の、どちらかといえば富裕層といえる家に生まれふつうに育ち、オーベルト先生の本をきっかけに宇宙を目指すのだが、いろいろあって死ぬ。まあ人間いつかは死ぬものだしもともと残された命は短いものだった。過去のことだし諦めがつくのだけれどその原因にも深く関わった、その人。男のくせに長い金髪で手入れなんてしてたところ見たこともなかったがまあ触り心地もよかったのは変わってないみたいだったし、金色の瞳は見つめられると複雑な気持ちになって、でも月を手に入れたみたいな気分でまあ気に入っていたんだけどあれかな、最後に見たとき違う色をしていたのはコンタクトかな。確かにあんな珍しい瞳じゃ何か隠さなきゃいけない事情もあるのかもしれない。背が小さくてガリガリに痩せてるのも変わっていない、いまだに食事は時々忘れるんだろう。怒りっぽいのもカルシウムが足りてないせいだと僕は思う。何故僕がそれを知っているのかというと。
「よーマスター!まだ白ソーセージあるー?」
なんてドアを開けてビアホールに入ってきたその人。幼い頃物心ついた時には近所に住んでて元気か?咳とかしてないか?とかなんとか言って何かと顔を見に来てたかと思いきや僕が十七になったその年にいきなり姿を消したその人。ビアホールの一席に僕を見つけてすっかり言葉も忘れて幽霊でも見たような顔が見る見る泣き出しそうな表情になって、ああ昔はそんな光景をよく見たものだと思い出しながら。
「やあ、ひさしぶりエドワードさん」
ほんとうに久しぶりにその名を呼んだ。呼べることが嬉しかった。彼がアルフォンス、と掠れたその声が僕を呼んで、僕は、僕は。
「・・・もう僕は決めたよ」
彼はびっくりした顔のまま黙って聞いている。このエドワードさん、本当に手のかかる人なのだ。生活能力は皆無で服も本も散らかしっぱなしでごはんは平気で抜くし睡眠だっていつとっているのやら。本当に手がかかって大変なので出会わなければ、前の僕はもっと楽に生きられたはずだ。それでも離れなかったのは。
「あなたが好きだよエドワードさん、だからもう、僕から逃げないで」
生まれる前から愛してるなんて、僕も大概趣味が悪すぎる。そう思いながらも僕はその小さな体を抱きしめてビアホールのおじさんたちにヒューヒュー口笛を吹かれつつキスをした。生まれる前から求めていたキスは甘くて苦くて涙が出そうだ。せめてこの体が死ぬまで一緒にいて、僕はそれでも愛し続けるから。そしてもう一度この世に生まれついたらまたあなたを探し出してあなたを愛するから。それはただの口約束に過ぎないことであるのに、エドワードさんは至極幸せそうに頷いて泣いた。
いまや宇宙空間にいる人間とタイムラグなく映像と音声で会話もでき、家庭のパソコンで幽霊探知ができるような科学によって支配された世界だ。その真っ只中それがどれだけ非科学的で非現実的で信じられなくていわゆるキモイことなのか、科学者の端くれとして僕だってわかっちゃいるけど思い出してしまったのだから仕方がない。なにをってアレだ。つまり月に一度、世界のどっかから届く絵葉書の差出人とのことだ。慌ただしく引き出しから絵葉書の山を取りだして僕はスーツケースに適当に荷物を突っ込むとパスポート片手に空港へと向かった。
リターンアドレスを辿ってまず訪ねたのはニューヨーク。けれど既に空室。ああ、あの人ならもう何ヶ月も前にここを引き払ってどこかへ、と話してくれた管理人さんに礼をいって次はモントリオール。空室。シアトル。空室。アンカレジ。空室。東京。空室、忘れ物の靴下を渡される。香港。空室。シドニー。空室。バンコク。空室。カトマンズ。空室。観光にきていた彼の弟と遭遇、世間話。情報はなし。ナイロビ、ケープタウン、カイロ。空室空室空室。イスタンブール。またもや忘れ物の靴下を渡される。靴下を忘れる習慣でもあるのかい。ブカレスト、パリ、ロンドン、ベルリン。空室空室空室。それで結局行き着いたのはやっぱりというかなんなのか、そこはミュンヘンだった。
その人は僕が、厳密に言うと死ぬ前の僕だ。僕はごく普通の、どちらかといえば富裕層といえる家に生まれふつうに育ち、オーベルト先生の本をきっかけに宇宙を目指すのだが、いろいろあって死ぬ。まあ人間いつかは死ぬものだしもともと残された命は短いものだった。過去のことだし諦めがつくのだけれどその原因にも深く関わった、その人。男のくせに長い金髪で手入れなんてしてたところ見たこともなかったがまあ触り心地もよかったのは変わってないみたいだったし、金色の瞳は見つめられると複雑な気持ちになって、でも月を手に入れたみたいな気分でまあ気に入っていたんだけどあれかな、最後に見たとき違う色をしていたのはコンタクトかな。確かにあんな珍しい瞳じゃ何か隠さなきゃいけない事情もあるのかもしれない。背が小さくてガリガリに痩せてるのも変わっていない、いまだに食事は時々忘れるんだろう。怒りっぽいのもカルシウムが足りてないせいだと僕は思う。何故僕がそれを知っているのかというと。
「よーマスター!まだ白ソーセージあるー?」
なんてドアを開けてビアホールに入ってきたその人。幼い頃物心ついた時には近所に住んでて元気か?咳とかしてないか?とかなんとか言って何かと顔を見に来てたかと思いきや僕が十七になったその年にいきなり姿を消したその人。ビアホールの一席に僕を見つけてすっかり言葉も忘れて幽霊でも見たような顔が見る見る泣き出しそうな表情になって、ああ昔はそんな光景をよく見たものだと思い出しながら。
「やあ、ひさしぶりエドワードさん」
ほんとうに久しぶりにその名を呼んだ。呼べることが嬉しかった。彼がアルフォンス、と掠れたその声が僕を呼んで、僕は、僕は。
「・・・もう僕は決めたよ」
彼はびっくりした顔のまま黙って聞いている。このエドワードさん、本当に手のかかる人なのだ。生活能力は皆無で服も本も散らかしっぱなしでごはんは平気で抜くし睡眠だっていつとっているのやら。本当に手がかかって大変なので出会わなければ、前の僕はもっと楽に生きられたはずだ。それでも離れなかったのは。
「あなたが好きだよエドワードさん、だからもう、僕から逃げないで」
生まれる前から愛してるなんて、僕も大概趣味が悪すぎる。そう思いながらも僕はその小さな体を抱きしめてビアホールのおじさんたちにヒューヒュー口笛を吹かれつつキスをした。生まれる前から求めていたキスは甘くて苦くて涙が出そうだ。せめてこの体が死ぬまで一緒にいて、僕はそれでも愛し続けるから。そしてもう一度この世に生まれついたらまたあなたを探し出してあなたを愛するから。それはただの口約束に過ぎないことであるのに、エドワードさんは至極幸せそうに頷いて泣いた。
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2005/10/05(水) 15:21:09 | URL | #-[